杉原 桂の自分研究室

ユアクリニックお茶の水の院長、杉原桂のブログ。

今年の流行は早いのか?インフルエンザ

朝日DIGITAL:インフル患者増, なぜ今年は早い? 8月には1歳児死亡
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20171012004656.html

 

医師会でも40代の男性インフルエンザがでたと聞きました。

もしかしたら今年は流行が早いのかもしれません。

 

ただ、散発が重なることと、

地域の学校などで流行が広がることはまた別問題ですので

慎重に見ていく必要があります。

 

インフルエンザの迅速キットの正解率は

周囲の流行度合いに大きく左右されます。

同じ陽性、とでても、信用度が大きく異なるのです。

ですから、患者さんの生活地域の流行度合いを知って検査することが

大事だと思っております。

 

 

 

インフルエンザA(H1N1)−CDC集団発生における迅速診断検査

より。

迅速診断キット

迅速診断キットは感度がそれほど高くはないため、その結果が陰性でもインフルエンザ感染を否定することはできない。米国からの報告では新型インフルエンザA(H1N1)に対する感度は40~69%とされている1)。国内では、2009年5月の神戸・大阪での調査から53.5~77%と報告されている2,3)。検査結果に影響を与える要因としては、発症から検体採取までの期間、検体採取部位、年齢、メーカーによる違いなどが考えられている。発症翌日に検体が採取された場合に感度が高いとされているが、それでも40~80%程度である2,3)。発症当日や発症後数日以降に採取された場合はさらに感度が下がる。採取部位による違いに関して新型インフルエンザA(H1N1)でのデータはないものの、季節性インフルエンザでは鼻腔からの検体採取が勧められている4)。小児では、成人よりも感度が若干高いかもしれない。特異度に関しての十分なデータはないものの、ある程度高いものと考えられている。米国CDCが示す迅速診断キット使用のアルゴリズム5)を図に示す。

無症状者に対して迅速診断キットを使用した場合には、その意結果が陽性であってもその意義は不明であり、また陰性であっても今後の発症を保証するものではなく、臨床上の有用性はほとんどない。