杉原 桂の自分研究室

ユアクリニックお茶の水の院長、杉原桂のブログ。

ナラティブに舵を切る

インターネットでどこにも在庫がない本。

 

しかし、それは本当ではない。

 

多くの場合、あるところにはある、のだ。

 

刑事ではなくても

 

現場に行って五感でみる必要がある。

 

医師もそうだけどね。

 

飯倉教授は、治らない子どもの自宅にいって原因を探していた。

 

まだ僕はなかなかそこまでできていないけれど。

 

今日はない、とネットが囁く

 

「クリーン・ランゲージ入門」という本を

 

出版社さんに問い合わせ、倉庫を探してもらって最後の一冊を買い求めることができた。

 

見えるものだけが真実とは限らない。

 

 

 

モバイルボヘミアンという本を読みながら

 

自分の仕事を先鋭化していく必要を感じている。

 

医師xナラティブx{ビジネス?経営?}

 

この辺りに役立てる領域がありそうだ。

 

そこにフォーカスを絞っていこう。

 

四十にして惑わず。

 

 

 

LOSTから旅の切望について

スタートレックシリーズ。

スターウォーズの新シリーズ。

 

メガホンをとるJJエイブラム。

 

全世界の期待値が高すぎる作品なだけに

あとをひきつぐ彼は並大抵の苦労ではないだろう、と思う。

 

JJの作風がどんなだろうと気になってアマゾンのLOSTを見始めた。

 

最初は引き込まれた。

 

しかし、これは僕の見るべきものではなかった。

 

終わりがない。謎は謎をよぶ。それは不毛地帯だった。

 

謎の目的は視聴者の興味を引き寄せ続けるため、ただそれだけのために作られているようだった。

 

虫を集めるライトのようなもので。それを照らし続ければ一定の虫がずっと確保できる。

 

そういう装置のようなドラマだった。

 

いまの僕には山登りのような、山頂があり、苦難もあるがゴールがある、

そんな物語が必要だと強く意識したのはこうしたLOSTの装置性に気がついたおかげ、とも言えるだろう。

 

だから、最近にしては珍しくリアルなハードカバーである「騎士団長殺し」を

読み始めた。

 

終わりが書籍の残りページで分かる、というのはkindleにはないリアル書籍の特権

でもある。

 

騎士団長殺しを読みながら、ふと僕はそろそろ旅にでなくてはいけないのかもしれない、と思う。

 

人は旅をしなくちゃいけないタイミングがあるもの、なのだ。

 

そういう旅渇望感覚に落ち込むことってありませんか?

 

これは別に村上春樹の小説を読んだからそういっているんじゃない。

 

だって、村上春樹の小説の主人公ときたら、ちょっと離婚したり、女性にふられたりしただけで、もう数ヶ月単位の放浪生活をはじめてしまう。

 

そんなことできないよ、誰も。

 

そうできたらいいかもな、くらいはちょっと思うかもしれないけど、

 

3分後には、生活の糧をどうしようかとか

 

マンションの家賃とか

 

上司がどう言ってくるだろう

 

とかいろんなしがらみでそういう情念をおさえつけて生きる。普通は。

 

僕の知っている中で

 

実際にポッとおもいたって旅にでてしまったの男性は

 

高校の同級生N君くらいだ。

 

なんの話だったか。

 

そうそう。村上春樹の小説にでてくる男の子たちは

 

(そう、男の子。彼の作品にでてくる主人公たちが自分より年下になっていること、それ以上に精神的に、あるいは作品の構造的に、成人していても心を殺しきれてない主人公がいつもでてくる。グレート・ギャツビーと一緒だ。この対逆として心を殺しきることに長けているのは、サム・スペードやらデューク東郷あたりだろう)

 

ありえないほど、繊細だ、ということ。

実際の我々は、心の繊細さと、心を殺すことのあいだをふらふらしている。

 

だから小説に惹かれるのだろうし

 

心を殺したルチーンの人生パターンから抜け出るために

 

自分が歯車ではないことを確認するために

 

旅を切望するのではないか、と思う。

 

 

 

 

鉱脈の発見について

ジョジョの奇妙な冒険」を書き続けている荒木飛呂彦氏は

 

ある時、鉱脈を見つけた。

 

人体のポーズにおいて、古代彫刻や絵画をモチーフにしていくことを。

 

たしか、ご自身の著作のどこかで書いていたような気がするッ!

 

村上春樹も鉱脈を見つけた。

 

これは二次情報だが、内田樹氏が村上春樹について書いた文章で見つけた。

 

本歌取り村上春樹内田樹。でググる

 

http://blog.tatsuru.com/2017/05/14_1806.php

 

最近になって語り直された記事が見つかった。こちらを読んでもらえればわかるかもしれない。

 

これはこれでコラムが1つかけそうな話題なのだが。

 

先に進もう。

 

杉原も昨晩、鉱脈を掘り当てた、気がした。

 

それは、lostの評価を読み、

 

TEDでJ J abramsの動画を見て、気がついた。

 

人間こそが、興味の源泉であり、知の源泉であると。

 

そこから派生した、技術や知識はコピペされて終わりだと。

 

人間は人間に目を奪われる。

 

それが自分の鏡だからだろう。

 

人間関係の構築とは、己自身との関係構築だった。

 

 

それこそがナラティブにつながる。

 

コピペできない、物語が。大発見で嬉しい。

 

amazonが病院を経営する日

これはまったくの妄想。

 

だが、冗談ではない。

 

経験から感じたことである。

 

Amazon Fire Stickを新しくした。

 

2015年度版も使っていたが、性能アップしたものを新規購入した。

 

液晶プロジェクターにも使うためである。

 

しかし、初期インストールでつまづいた。

 

ソフトウェアのアップデートがうまくいかない、とエラーメッセージ。

 

何度か時間をおいて試してもだめなら

 

amazon.co.jp/devicesupport

にアクセスせよ、と。

 

その通りにした。Webの情報では解決にいたらない。

 

メールで相談しようとおもって「カスタマーサービスに連絡する」ボタンをおした。

 

すると、いま電話するボタンが現れた!( ♪ ドラクエ風)

 

もう21時半くらいだよ。

 

どこまで本気なのアマゾンさん。

 

電話してみましたよ。そしたら、懇切丁寧なアドバイスがあって。

 

一度もどるボタンをおして、再設定したら

 

するりと治ってしまった。心が掴まれましたね。

 

ふりかえって考えると。

 

これは、本来病院やわれわれ医療者が達成すべきタスクじゃないのかなあ、と

 

ひしひしと感じました。どこまでも共感し、解決に全力をつくす電話。

 

できる、できないはあまり関係ないよね。

 

これと競合するECサイトさんたち、大変だよ。これは。

 

でもこのサービスシステムはきっとアマゾンのことだから

 

ECサイトに終わらせるつもりはないと思う。

 

この仕組みで、自動車のフォローしたっていいし、

 

薬局運営したっていい。(法的な基準をみたしつつ)

 

僕がアマゾンの社長なら、このフォローアップの仕組みを他の業界に売るよ。

 

医療はとくに大きなマーケットになるのではないかなあ。

 

そんなことを思った夜でした。

 

 

ブログのタイトルをかえてみよう。

ブログは何について書いてもいい。

だから、内容がぶれる。

医学だったら医学のことだけにしておけばいいのに。

 

杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科ブログ

 

で追求しそびれたのはそこだ。

 

 

今回は何かに絞り込みたい、と医学系記事を書きながら思った。

 

しかしながら、尊敬する

岩田健太郎先生の

楽園はこちら側

とか

内田樹先生の

内田樹の研究室

のような、テーマはそれぞれでぶれているようでぶれてない。

何か磨かれた世界に踏み込んでいるように感じる。

 

と、するならば・・・

 

イメージとしては研究室、なんだろうな。

 

すぎはらランド は確かにリアルな世界でビジョナリーとして

 

持ち続けるテーマではあるのだが。

 

どんな研究室なのか?

 

すなわち、自分研究室。

 

自分がうまくいっていることを探求する。

 

使っている道具から思考様式、興味をもっていること、大事にしていることについて。

 

自分をメタレベルで見下ろして、うまくいっていることを伸ばし、

 

弱点はアウトソーシングしていこう、という虫のいい話。

 

なのでタイトルも変えてしまいます。

 

 

感情と喘息

今回のアレルギー学会雑誌は面白い。

脳と免疫系のクロストークとして

かつて葬られようとしていた

心理ストレスと喘息との関係に再びスポットライトがあてられようとしている。

 

ちょうど、東京慈恵会医科大学の授業で1年生に感情について

話すチャンスがある。

 

p.150

情動の中枢である島皮質を破壊すると免疫抑制の条件付けが成立しなくなる、

など興味深い。

 

もっとも、授業でしってほしいのは病気と情動の関連のそのまえに、

患者や自分の情動の微細な動きに敏感な医療者になってもらいたいという点だけれども。

 

ムコフィリン

アレルギー学会雑誌 vol.66 2017 

p.173-178

Local allergic rhinitisの実験的エビデンス より。

 

いわゆるアトピーアレルギー性鼻炎になる前段階としての

local allergic rhinitisだが

小児科領域でもよく見かける。

 

きっとNーアセチルシステイン=ムコフィリン吸入液

ネブライザーでいれていくこと、小児科領域でもはやっていくに違いない、と思う。